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「最強」シャコパンチ、なぜか抵抗の低い空気中のほうが弱くなると判明 (2/2)

2020.02.28 Friday

前ページシャコの驚異的なパンチ力

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空気中ではパンチ力が落ちる!?

今回の実験では、ハイスピードカメラを用いて、パンチを繰り出すシャコの様子を撮影し、威力やスピードを分析しました。研究チームは、シャコの下腹を安全な棒で突つくことで、パンチを出させています。

研究主任のケイト・フェラー氏は「前予想として、水中のような抵抗力がない分、当然パンチ力も上がるだろう」と予測していました。

しかし結果は真逆で、空気中でのスピードは水中時の半分以下、威力に関しては10分の1程度しか出ていなかったのです。

研究チームはこの結果について、「空気中ではパンチの威力が水中ほど伝達しきれないのでは」と推測。しかし、別の研究で、シャコは状況に応じてパンチ力を微調整できることが報告されています。

つまり、シャコは空気中では、あえてパンチ力を抑えているのではないかということです。

これはシャコがパンチを放つ際に放出される余分なエネルギーをいかに消散させているかに関係します。

画像
モンハナシャコ/Credit: ja.wikipedia

例えば、同じバネ仕掛けの部位を持つバッタやイナゴは、跳躍の余分なエネルギーにより関節を傷めないよう、脚の後部にエネルギーを吸収するクッション構造を持っています。

一方、シャコにそのようなクッションはありませんが、彼らはパンチの余分なエネルギーを、標的であるカニや貝殻の体表面で消散させているのです。

つまり、シャコはパンチ力が高すぎるあまり、フルスイングで空振りすると、ヒットしていない分のエネルギーがすべて自分に返ってきて、関節を傷めてしまうというわけです。

ターゲットのいない空気中でパンチ力を落とすのは、ハードパンチャーならではの悩みなのかもしれません。

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reference: eurekalert / written by くらのすけ

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