共通なのは患者と検死解剖医による現場の意見
「睾丸潜伏説」と「睾丸無縁説」は全てが対立しているように思えますが、わずかに見解を共有している部分もあります。
それは患者からの直の訴えと、亡くなった患者の検死解剖を行っている現場医師の意見です。
コロナウイルスに感染した男性患者の19%が、睾丸に強い不快感を覚えているとのこと。
また亡くなった男性患者を解剖した医師は、患者の睾丸が炎症性の反応により大きく構造崩壊と細胞死を起こしていることを報告しました。
これらの意見は、科学者同士の競争意識を超えて尊重されるべきでしょう。
なお論戦の一般的な見解では、感染することを証明するより、感染しないことを証明するほうが遥かに難事です。
そのような意味では、中国の研究は今後、より徹底した証拠を要求されるでしょう。
コロナウイルスが睾丸に感染するかしないか、男性にとっては死活問題ではありますが、結論が出るのはまだ先のことになりそうです。
研究内容の詳細は、華中科技大学のFeng Pan氏らによってまとめられ、4月24日付で査読付き学術雑誌「Fertility and Sterility」に掲載されました。現在はプレプルーフ版がオンラインで公開されています。
https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(20)30384-8/pdf