- 中世イギリスのロングボウによって死亡した人の頭蓋骨が見つかる
- 頭蓋骨の傷から、当時のロングボウが銃弾なみの威力だったと判明
- ロングボウは、現代の多くの銃と同じく時計回りで回転していた
英国エセクター大学考古学部のオリバー・クレイトン教授らの研究チームにより、イギリス中世の弓矢が現代の弾丸なみの威力を有していたと判明しました。
彼らが英国都市エクセターにあるドミニコ会修道院の墓地から発見された人間の頭蓋骨を調べたところ、それらはロングボウによって撃ち抜かれたものでした。
その頭蓋骨の調査によると、ロングボウは現代の銃のように時計回りに矢を回転させるよう設計されていた可能性があり、容易に頭蓋骨を貫通したかもしれません。
驚異的な殺傷力を持つロングボウ
イギリスの長弓兵は中世において大いに恐れられていました。
百年戦争における当時の記録は、彼らがフランス人に多くの死傷者を出していたこと、ロングボウによる傷がぞっとするほど深刻なものだったことを証明しています。
実際、ロングボウによる矢は鎧を貫通し、多くの騎士を殺しました。ですから、長弓兵が戦場にいるだけで、心理的にもかなり優位に立つことができたようです。
ドミニカ修道院の墓地からは、22の骨片と3個の歯が見つかっており、それには、ほぼ完全な頭蓋骨、右脛骨が含まれていました。
研究者たちによる調査により、これらの骨の損傷がロングボウによってできた外傷だと判明しています。
これらの傷は、中世のロングボウの威力と仕組みを明らかにしました。