多様で新規性のある移動は幸福をもたらす

調査では132人のボランティアが選ばれ、3カ月間、彼らの移動経路をGPSで追跡すると同時に、ランダムなタイミングで幸福度を答えるアンケートに回答してもらいました。
その結果、移動距離が長い人間ほど、日々の生活でより高い幸福度を感じている傾向があることがわかりました。
また同じ移動距離でも通勤や通学とは違い、多様性や新規性がある移動ほど、感じている幸福感がより高くなっていたようです。
同じような移動と快楽の相関関係は、先行するマウスなどを用いた研究により明らかになっていますが、人間で同じような結果が得られたのは今回が初めてとなります。
研究者たちは「人間には明らかに移動を快楽と感じるように頭が配線されている」と述べています。
また移動から快楽を得られる仕組みは、人類の歴史の大部分を占める非定住の狩猟採集生活を送るにあたり、モチベーションの増加に寄与していると考えられます。