どんな事ができるの?
では、開発中のロボットアームは現段階でどんなことができるのでしょうか?
本物の腕に近い動きができるため様々な作業に適応できます。
ロボットアームは果物を摘むという繊細な作業を装着者と並行して行えます。アームで摘んだ果物を装着差に渡して協力することも可能。
さらに、ロボットアームを使用するなら梯子が必要な高所作業でも安全を保ちやすいでしょう。
装着者は梯子を両手で握りながら、ロボットアームで塗装できます。
また、外壁の窓をクリーニングすることも可能です。ビルの外壁や窓の清掃にも役立ちますね。
作業中に「ちょっとそれ取って」ということもなくなります。工具類は比較的重いものばかりですが、ロボットアームであれば簡単に取ってくれます。
繊細な作業が得意なだけではなく、強い力で壁を破壊することも可能。先端をツメから鉄球に交換するだけでハンマーに早変わりしますね。
ラケットを使ってバドミントンだって可能です。
飛んでくるシャトルを打ち返すためには、タイミングを見計らって素早くアームを動かさなければいけません。最高速度3.4m/sのロボットアームだからこそ可能なのですね。
これらすべてには背後でアームを操作する人が存在しています。ですから、今後の課題はやはり「自律性」だと言えるでしょう。
研究者たちは現在でも「ドアを開ける」などの単一の行動であれば自律化できると述べています。
ただし、私たちが望んでいるのは、もっと多機能なロボットアームです。
そのためには、「人間の意図」という広大な分野を探求していく必要があり、研究チームはさらなる性能の向上に取り組んでいます。
既に高機能な腕は作られました。もし今後、「人間の意図を汲み取るAI」が追加されるなら、それは「本物の第3の腕」です。
それはつまり、マーベル作品のドクター・オクトパスが現実に誕生するということかもしれません。
研究の詳細は6月2日、「ICRA2020」で発表されました。
Multifunctional 3-DOF Wearable Supernumerary Robotic Arm Based on Magnetorheological Clutches
https://events.infovaya.com/presentation?id=68227
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/51578