ジンベイザメの目は歯で守られている
ジンベイザメは最大の魚類であり、全長は18mを超え、その目は上の図のように頭部の左右に突き出るように配置されています。
ですが突き出た目は損傷に対して非常に脆弱であり、他のサメのように瞬膜では十分に保護できません。
そこで研究者は水中超音波検査と断層撮影などの手法を駆使して、生きている標本と死んだ標本の両方を分析することで、ジンベイザメの目の謎に迫ろうとしました。
結果、意外な事実が判明します。
ジンベイザメの目の周辺は凝集した約3000個の細かい歯で覆われていることがわかったのです。
細かな歯の一つ一つは上から見ると木の歯のような形をしており、内部には血管や神経の通り道と考えられる空洞があいていました。
これらの歯はエナメル質で覆われ、内部には血管と神経が通る穴があると考えられます。
また形状も、通常のサメの皮膚にみられる歯状構造とは異なり、水の抵抗を考慮してものではなく、防御などの機械的保護のために存在しているのでしょう。