アメリカ手話を翻訳できる「スマート手袋」
新しく開発された翻訳手袋には、5本の指にそれぞれ対応する伸縮性の薄いセンサーが取り付けられています。
これらのセンサーは導電性の糸で作られており、個々のアルファベット、数字、単語、フレーズに対応した手と指の動きを検出できます。
検出された情報は手首部分に装着された1ドル硬貨サイズの回路基板に伝わり、信号をスマートフォンのアプリへと送信します。スマートフォンでは1秒当たり約1ワードの速度で音声変換可能。
また、これらの手袋に加えて、顔にセンサーを追加(眉間と片方の口角)することで表情をキャプチャーすることもできます。
チェン氏によると、これまでにもアメリカ手話の装着型翻訳システムは存在していたようです。ただし、デバイス自体が重く装着も困難でした。
今回開発されたスマート手袋は、軽量かつ安価であり、耐久性の高い伸縮性ポリマーでできています。電子センサーも柔らかいため、良好な装着感を実現できています。
またコンピュータ学習により、現在のシステムはアルファベットの各文字と、0~9を含む660のジェスチャーを認識可能。
UCLAの研究者たちは、現在この技術を特許申請中です。商用モデルも考案されており、そのためには、語彙を追加し翻訳時間を短縮する必要があるとのこと。
一般化するなら、手軽にアメリカ手話使用者とコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
この研究は6月29日、「Nature electronics」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41928-020-0428-6
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