Point
■マイクロソフト社が、自社のHoloLensを使った「自動翻訳ホログラム」の実演を行う
■この技術は話者の実物大のホログラムを投影するだけでなく、発話を他言語に自動翻訳する機能を持つ
■HoloLensに「AI翻訳技術」と「テキスト読み上げ技術」を搭載することで、他言語の流暢な発話が可能に
今週水曜、ラスベガスの合同カンファレンスにて、マイクロソフト社のジュリア・ホワイト氏が、HoloLensを使った「自動翻訳ホログラム」のデモンストレーションを行なった。
この技術は話者の実物大のホログラムを投影するだけでなく、ホログラムが話者の言葉を外国語に自動翻訳してスピーチすることができる。さらにホログラム音声も話者の声と同じであるため、いかにも本人が話しているかのような感覚を与えるのだ。
今回のカンファレンスではホログラムの翻訳言語が日本語となっているので、ぜひ動画を確認して頂きたい。発音やノイズが少々気になるものの、日本語ネイティブの私たちが聞いても驚くほどの流暢さだ。
もはや現代テクノロジーがスター・ウォーズを越え始めた証だろう。
HoloLensに「複合現実」と「翻訳機能」を搭載
マイクロソフト社が開発した「HoloLens」は、頭部装着型の拡張現実ディスプレイだ。本体にホログラフィック・プロセッサが内蔵されているため、外部のコンピューターなどとの連携を必要とせず単体でホログラムを投影することができる。
今回の自動翻訳ホログラムの開発に際し、研究チームはホワイト氏の演説風景を専用のスタジオで撮影し、等身大のホログラム投影を実現させている。ホログラム撮影スタジオの様子は以下の動画を参照。
さらに音声言語の自動翻訳と自然な発話を可能にするため、「ニューラルネットワークのテキスト読み上げ技術」と「AI翻訳技術」をHoloLensに搭載。それにより、母国語以外の言語を話者本人の声でナチュラルに発話させることに成功した。
翻訳可能言語は日本語からフランス語、ポルトガル語、その他複数の言語に及び、今後の研究でさらに数を増やすことができるそうだ。
「この技術は近い将来、国際間コミュニケーションの多くの場面で生じる言語的障壁を取り除いてくれるでしょう」とホワイト氏は話す。例えば、国連サミットで国のリーダーがホログラムで登場し、聞き手の母国語で流暢にスピーチしてくれるというわけだ。
SF的アイデアはもはや、どんどん空想ではなくなってきている。