犬は思ったより年寄り?
新しい年齢比較を聞いて、犬は人間の50歳と比べるとかなり活動的だと感じる人もいるかもしれません。
遺伝子、細胞レベルの年齢比較と運動が特異な犬と人間の年齢別の能力比較は、また別の問題になるのかもしれません。
また今回の研究はラブラドールレトリバー1種を調査して行われています。犬はサイズによっても寿命に大きな変化があるため、他のサイズの犬種で今回の年齢計算が適用可能なのかについては、さらなる研究が必要になります。
こうした研究は獣医師の治療などにとっても有用なツールになる可能性があります。
さらに、もともとのIdeker氏の研究である抗加齢治療の評価についても、メチル化ベースの年齢測定が種を超えて有効である事実は、重要な知見となるでしょう。
Ideker氏は自身も6歳になる犬(メス)を飼っていて、今では次のように考えてしまうそうです。
「彼女は今でも私と一緒に走り回っていますが、私が思っていたほど若くはないんだなあ」
たぶん、今回の研究を聞いて、同じことを思う飼い主は多いことでしょう。
この研究は、カルフォルニア大学サンディエゴ校遺伝学部の研究者Tina Wang氏を筆頭著者とした研究チームより発表され、論文は生物学に関する査読付き科学雑誌『Cell Systems』に7月2日付けで掲載されています。
https://doi.org/10.1016/j.cels.2020.06.006
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