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ガラパゴス諸島の小鳥に異変が生じている / Credit:Alper Yelimlies_Galapagos birds exhibit ‘road rage’ due to noise(2025 EurekAlert)
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ガラパゴス諸島の小鳥が”凶暴化”して鳴き声も変化!原因は人口増加に伴う”ある音”だった

2025.04.22 06:30:53 Tuesday

世界遺産に指定された大自然の宝箱、ガラパゴス諸島。

この地で現在、当地生まれの小鳥によからぬ変化が起こっています。

イギリスのアングリア・ラスキン大学(ARU)の研究チームによると、黄色の美しい鳥「ガラパゴスキイロアメリカムシクイ」が、車の騒音によって、鳴き声や行動を大きく変えつつあるというのです。

なぜ、鳥たちは凶暴化してしまったのでしょうか。

研究の詳細は、2025年4月1日付の『Animal Behaviour』誌に掲載されました。

Galapagos birds exhibit ‘road rage’ due to noise https://www.eurekalert.org/news-releases/1077403
Galápagos yellow warblers differ in behavioural plasticity in response to traffic noise depending on proximity to road https://doi.org/10.1016/j.anbehav.2025.123119

「ガラパゴス諸島の人口増加」が小鳥に与える影響とは?

ガラパゴス諸島は、エクアドル沖に位置する火山島群で、特異な生態系を育んできました。

しかし、近年では観光客数の急増とともに、定住人口も年間6%以上も増加しています。

この変化に応じてインフラ整備が進み、道路建設や車両数の増加が問題視されています。

例えばサンタクルス島では、1980年に23台しかなかった車両が2013年には1326台にまで増え、騒音公害が深刻化しました。

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ガラパゴスキイロアメリカムシクイ / Credit:Caglar Akcay, Anglia Ruskin University_Galapagos birds exhibit ‘road rage’ due to noise(2025 EurekAlert)

そんな中、注目が集まっているのが、ガラパゴス諸島の鳥、ガラパゴスキイロアメリカムシクイ(Setophaga petechia aureola)です。

この鳥は体長約12〜13cm、鮮やかな黄色の体色とオスの頭頂部に見られる赤褐色の斑点が特徴です。

昆虫やクモ、小型果実を食べる雑食性で、低木林やマングローブ林を中心に生息しています。

この種は、アメリカ大陸に生息する他のキイロアメリカムシクイとは遺伝的に異なっており、亜種に分類されています。

そしてこれらのオスは一年中、さえずりによって縄張りを防衛しており、さえずりは同種個体間の重要なコミュニケーション手段となっています。

声は、相手への威嚇や自己主張のためだけでなく、争いを未然に防ぐための情報交換でもあります。

しかし、近年の交通騒音によって、その大切なさえずりがかき消される事態が発生。

これにより、ガラパゴスキイロアメリカムシクイたちは自らの生存戦略を変えざるを得なくなっています。

どのように彼らが適応を迫られているのか、研究チームの報告を見てみましょう。

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