- 量子の性質を導入した「量子囲碁」が考案される
- 石の位置は観測されるまで、2つの状態をもっている
- 観測されたペアの石の片方は消失し、もう片方は盤上に残る
囲碁はチェスや将棋と同じくシンプルながらも奥の深いボードゲームとして有名です。
中国上海交通大学のシャンミン・ジン氏ら研究チームは囲碁に量子の「重ね合わせ」「もつれ」の要素を追加した「量子囲碁」を開発しました。
もともと深い思考が要求されるものでしたが、量子の要素を含むことで更に複雑で深い思考が必要となっています。
量子の「重ね合わせ」「もつれ」
量子論とは、原子よりも小さなミクロの世界を説明する理論であり、私たちの知っている常識が通用しません。
そしてその量子論によると、量子は「重ね合わせ」の性質を持っており、これは複数の状態で存在できる性質を指します。
さらに、量子は「もつれ」の性質も持っています。これは対を成す粒子には相互関係があり、片方の状態が決まることでもう片方の状態も即座に変化する性質のことです。
これらの性質により量子の世界では「観測されるまで2つの状態を保持し、片方を観測するともう片方の状態が決定され」ます。
これは量子世界を簡単に説明したものですが、研究チームはこの量子の要素を囲碁に取り入れてしまいました。