青い炎のリングの正体
その後、研究チームはこの青い炎のリングについて研究を続けてきました。そして十分に集めた数値データを元に、この現象を3次元数値シミュレーションで再現することに成功したのです。
その結果、この青い炎のリングは3種類の異なる燃焼が組み合わさったキメラのようなものであることがわかりました。
青いリングの下側で逆円錐状に燃えているのは、濃厚な予混合火炎です。これは燃料と酸素が混合されて起こる燃焼です。
名前に「予」という文字が入っているのは、これがもともとはエンジンやガスバーナなどで、予め燃料(可燃性気体)と酸素を混合して点火した際、発生する炎だからです。
ガスバーナーやコンロの理想的な炎が青いのは、この予混合火炎のためです。
ここでは酸素より燃料のほうが過剰な状態になっています。
リングの上にあるのは拡散火炎です。これは燃料と酸素が分離して拡散しながら燃えている状態の炎です。
この拡散火炎の外側でうっすら燃えているのは、酸素割合が高い予混合火炎です。
そして明るく輝く青い炎のリングは、この3種の炎がすべて結合したものでした。これは酸素と燃料が両方とも完全燃焼のために完璧な量で存在しており、燃料はすべて燃えて煤などの排出物を発生させません。