クリーンな青い炎
青い炎の構造や発生条件が解明されたとは言え、これはまだ実用段階には到達していません。
煤を出さないクリーンでエコな完全燃料は、化石燃料に依存した世界で大量の有害物質の排出を抑える重要な技術になる可能性を持っていますが、そのためには克服しなければならない多くの課題が存在します。
現在この炎は実験室の密閉された小さな装置の中でしか発生できていません。また火災旋風の竜巻を経由しなければ発生されることができません。
不完全燃焼の黄色い炎の火災旋風を経ずに、いきなりこの青い渦を発生させることは可能なのか? 形成されるサイズを制御することはできるのか? その場合大きな青い渦が生まれるのか、小さな渦が大量に生まれるのか?
装置のようか囲いがない状況でも作れるのか? 複数の青い渦を同時に作って干渉せずに維持させることはできるのか?
問題は山積みのようです。
しかし、もし完全にこの炎を理解して制御できるようになれば、モーリシャス沖のような原油汚染を一切煙も出さずに燃やして除去したり、煙を出さない火力発電所も作り出せるようになるかもしれません。
この研究は、米国メリーランド大学のJoseph D. Chung氏を代表とした研究チームより発表され、論文は科学雑誌『Science Advances』に8月12日付けで掲載されています。
https://advances.sciencemag.org/content/6/33/eaba0827.full