「入れ替わってる!?」と錯覚させる実験
タシコフスキー氏らは純粋な好奇心からだけでなく、離人症や統合失調症などの治療に役立つと考え、「体の入れ替わり」実験を行ないました。
実験では友人である2人が1セットとなり、片方の視覚や触覚をもう片方が得られるようにしています。
参加者は装着したゴーグルを通して友人視点のライブ映像を見せられました。また視覚と触覚が一致するように、同じタイミングで同じ体の部位に刺激を与えられました。
つまり、友人の体と入れ替わったように錯覚させられたのです。
結果として、入れ替わりの実験は成功しました。
例えば、研究者が友人を脅すためにナイフをかざすと、パートナーはまるで自分が脅されているかのようにたじろぎました。
また実験の中で、ある参加者は冗談交じりに「足の指を動かすのはやめて!」と叫びました。友人は自分の指を動かしていただけですが、まるで自分の指が勝手に動いているかのような錯覚に陥り、不快に感じたのですね。