量子のもつれを放射線から守る方法
今回の研究により、量子コンピュータの性能が現状で頭打ちであることが明らかになりました。
上の表には世界各国の平均的な環境放射線の量を示しています。
地球上の都市は宇宙からの放射線以外に、地殻に含まれる微量の放射線や、建物の建材に使われるコンクリートに含まれる放射性物質にさらされています。
そのため現状でとれる解決策としては、分厚い鉛のシールドで覆うか、放射線量の少ない地域の大深度地下に埋めるしか回避する方法がありません。
しかし著者の一人であるオリバー氏は状況の困難さを認めつつも、ゲームオーバーだと諦めるにはまだ早いと述べています。
「量子もつれ」状態の強靭性を向上する技術が開発されれば、環境放射線に対抗できるかもしれないからです。
人類は進歩によって1ナノ秒が限度だった量子的もつれ状態の維持時間を数百マイクロ秒に伸ばす技術を開発しました。
新たに発見された4マイクロ秒の制限も、いつかはきっと、乗り越えることができると研究者たちは考えています。