謎の行き止まり回避能力
これまでの研究で、単細胞生物や体内の白血球は化学誘引物質に反応して集まってくることが知られています。
誘引物質は主に、栄養価の高いエサのシグナルや怪我をした場所への集合シグナルとなります。
しかしながら既存の研究は主に短距離の移動に焦点をあてたものが多く、長距離かつ複雑な迷路や血管系を突破する能力についてはわかっていませんでした。
上の動画では、スタート地点から出発したアメーバがゴール地点から連続的に放出される誘引物質につられて、迷路を攻略していく様子を映しています。
なお、左側は分岐の多い難しい迷路で、右側は簡単な迷路です。
興味深いことに、アメーバが左右の迷路を攻略する時間はほとんど同じでした。
人間ならば難しい迷路では攻略時間が伸びるはずなのに、どうやら行き止まり回避能力を持つアメーバにとっては、どちらも正解までの一本道に過ぎないようなのです。