金星の雲から見つかった生命の痕跡
金星大気中からホスフィンの最初の兆候が発見されたのは、2017年のことでした。
グリーブズ教授のチームはハワイ島マウナケア山頂にある電波望遠鏡「ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡(略称: JCMT)」からその観測を行っています。
この発見については慎重を期すため、2019年にヨーロッパ南天天文台(略称: ESO)が運用するチリのアタカマ大型ミリ波/サブミリ波アレイ(略称: ALMA)でも追跡の観測が行われましたが、こちらでもホスフィンは検出され、金星大気に含まれることが確定されました。
英国、米国、日本の研究者を含む国際研究チームの分析によると、このホスフィンは、金星の上空50kmの辺りに20ppb(大気中に10億分の20の割合)というごく少量存在していると推定されています。