なぜ「金星大気中の生命」が重要な発見だとされているのか?
この研究は現在世界中で話題になっていますが、金星大気中の生命と言われても、すぐにはピンと来ない人が多いかもしれません。
しかし、この説はかなり以前から可能性が指摘されていました。詳しくはこちらの記事を参照してください。
金星は大気の組成のほとんどが二酸化炭素と硫酸であり、表面温度は鉛も溶けてしまう464℃、地表大気圧も地球の約100倍とされていて、地球から見たらとても生命が存在する可能性はなさそうに思えます。
しかし、惑星のサイズは地球とほぼ同じであり、上空50kmまでいくと気温、気圧とも地球にかなり近い数値になります。
そのため、金星上空の雲の中は宇宙のどこよりも地球環境に近く、生命が存在する可能性が高いと言われていたのです。
大気組成が二酸化炭素と硫酸というのは気になるところですが、それも地球上では火山帯の環境に近く微生物が生存するため問題はないでしょう。
今回発見されたホスフィンは嫌気性(酸素を嫌う)の微生物が生成する物質であり、これが金星の上空50kmから検出されたという事実は、いよいよ金星上空の雲の中には生命が存在する話が現実味を帯びてきたと人々を興奮させているのです。
まだ、明確に金星で生命が発見されたわけではありません。ホスフィンは生命以外の私たちがまだ知らないメカニズムで発生している可能性も否定はできません。
しかし、何十年もの間、多くの科学者たちは金星上空が生命の居住可能な環境だと主張してきました。
それは、あくまで理論上の話に過ぎませんでしたが、今そこにはホスフィンという確かな証拠があります。これは地球外で生命を探る研究の大きな進展なのです。
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