クローンが「種の存続」の救世主となるか
クローン作成に用いられたDNAは、1975年にイギリスで生まれて、1978年にアメリカにやってきた「クポロヴィッチ」というモウコノウマのものです。
クポロヴィッチは、両親が野生種であり、遺伝的多様性に富むため、1980年にDNAを採取し冷凍保存されていました。
サンディエゴ動物園は、野生動物保護団体の「Revive&Restore」、ペットクローニングを専門とする「ViaGen Pets & Equine」と協力し、クポロヴィッチのDNAを使って、クローン胚を作りました。
このクローン胚は家畜馬の代理母に移植し、通常の妊娠プロセスを経て、無事クローンのモウコノウマの出産に成功しています。
誕生したクローンは、クポロヴィッチDNAの冷凍保存に携わったカート・ベニーシュケ氏にちなみ、「カート」と命名されました。
研究チームは「クローンが他の個体との繁殖に成功すれば、飼育種に貴重な遺伝的多様性をもたらしてくれるでしょう」と話しています。
カートは、繁殖年齢に達したら、サンディエゴ動物園のサファリパークに移されるとのことです。
果たして、カートは、絶滅の危機に瀕する仲間を救うことができるのでしょうか。