海運業界に求められる環境に優しい輸送船
クウェートで発見された紀元前5000年頃の円盤には、すでに帆船の姿が描かれていました。
人類は実に7000年前から帆船を使っていたのです。
この伝統的な船の推進技術は、蒸気機関の登場によって世界から消えていき、現代ではレジャー目的以外で使われることはほぼありません。
現代の世界をつなげる貿易のネットワークには、大型の貨物船が不可欠で、これらの多くは汚染物質の排出量が多い安価な燃料に頼って運行されています。
現在、商業海運業界のCO2排出量は世界の約3%を占めています。
3%なら大したことないと考える人もいるかもしれませんが、これは大きな数字です。国連の国際海事機関は、地球温暖化への懸念から今年の10月末までにこうした排出量の40%を削減する目標を掲げています。
こうした機運の高まりから、海運会社も環境に優しい輸送手段を検討し始めています。
そこで目を向けられたのが、海を進む伝統技術「帆船」だったのです。