現代に蘇った帆船
そこで海運会社「Wallenius Marine」がデザインしたのが、現代の帆船というべき風力船「Oceanbird」です。
もちろん現代の帆船は、布の帆を張って海を航行するわけではありません。
それは金属複合材で作られた、高さ80メートルもある飛行機の翼のような5枚の帆です。
この帆は高さの調節が可能で、最小で20メートルまで短くなり、嵐の中や運河の橋の下でも安全に航行できます。
最新のコンセプトでは、北大西洋を最大7000台の車を積んで平均10ノットの速度で横断できるとのこと。
10ノットという速度は、現在運行されている輸送船としては遅い部類です。通常8日で行う航海に12日を要してしまう計算になりますが、排出量は90%削減できるといいます。
通常のエンジンも搭載されますが、それは港湾内外の移動や緊急時に限った運用になるようです。
完成すれば船の全長は200m、幅40mになり、世界最大の帆船となります。