天文学者の遊び心
実際惑星の軌道周期が3.14日だとなにか意味があるのかというと、特にありません。
それなのに論文タイトルに「πEarth」と入れたことについて、研究チームの1人ジュリアン・ドゥ・ウィット氏は、「ちょっとした遊び心は誰でも必要としています」と語っています。
これは膨大なデータの中から惑星を探す作業に明け暮れる研究者たちのちょっとした遊び心でピックアップされた話題なのです。
研究自体の意義は、すでに運用の終了したケプラー宇宙望遠鏡の膨大なアーカイブデータの中から、新たな系外惑星を発見できたことにあります。
系外惑星の存在は、主星と惑星が起こす食(トランジット)を利用して探索されます。
これは地上観測だけで発見することは非常に困難です。アーカイブデータの中からそれらしい信号を発見し、観測に適した夜を選定して、その場所をピンポイントで観測するという、方法で今回の発見は成し遂げられました。
低温の星を回る地球のような惑星の探索は、現在の天体観測の1つのテーマになっています。
系外惑星は主星の近くにいないと発見が難しいですが、たいていそうした領域は生命には過酷な環境です。しかし、低温の矮星ならば、ごく近距離にもハビタブルゾーンが存在できます。
今回の研究と同じ方法で、今後もっと興味深い惑星を発見することもできるかもしれません。