公転周期3.14日のパイアース。
公転周期3.14日のパイアース。 / Credit: NASA Ames/JPL-Caltech/T. Pyle, Christine Daniloff, MIT
space

3.14日で公転する「円周率惑星(パイアース)」が見つかる!宇宙の神秘に隠された数学的意味とは…?

2020.10.03 Saturday

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者を含む天文学チームは、遠くの星系に公転周期が3.14日という惑星を発見したと、9月21日の科学雑誌『The Astronomical Journal』で発表しました。

3.14は言わずと知れた円周率と同じ値です。

論文タイトルには「π Earth: A 3.14 day Earth-sized Planet from K2’s Kitchen Served Warm by the SPECULOOS Team(訳: パイアース。公転周期3.14日の地球サイズの惑星)」と書かれています。

宇宙には軌道共鳴など数学と深い繋がりを持った神秘的な現象が見つかったりしますが、これもまたある意味数学と繋がりを持った宇宙の発見と言って良いのかもしれません。

MIT https://news.mit.edu/2020/earth-sized-pi-planet-0921 , phys https://phys.org/news/2020-09-astronomers-earth-sized-pi-planet-day.html

円周率の公転周期を持つ惑星「パイアース」

「K2-315 b」別名「パイアース」のアーティストイメージ。
「K2-315 b」別名「パイアース」のアーティストイメージ。 / Credit:NASA EXOPLANETS

「πEarth(以下、パイアース)」とニックネームのつけられた惑星は、系外惑星を探索するNASAケプラー宇宙望遠鏡のK2ミッションによって、2017年に集められたデータの中から発見されました。

このときはまだ惑星と思われる信号を放つデータに過ぎませんでしたが、研究チームは地上望遠鏡のネットワークSPECULOOS(スペキュラース)を使って、今年のはじめにその星系の観測を行い、データ内の信号が惑星であるということを確認したのです。

こうして発見された新しい系外惑星は、正式名を「K2-315b」と名付けられています。

これはK2ミッションで発見された315番目の系外惑星という意味です。

「K2-315b」の半径は地球の約0.95倍で、ほぼ地球サイズの惑星だと推定されています。

主星は太陽の約5分の1の大きさで、私たちの太陽より低温で低質量の星です。そしてこの惑星は毎秒約81kmという猛烈な速度で星の周りを回っており、その公転周期はなんと3.14日だったのです。

次ページ残念ながらハビタブルゾーンの外側

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