170万人を超えるゲノムワイド関連解析
アメリカ、イギリス、オーストラリアでは人口の約10%が左利きだと言われています。
しかし、左利きであるということには生物学的に有利な理由が見当たりません。
これまでの研究から、利き手は生まれる以前に脳の構造や、出生前のホルモンの影響などで決定されていると疑われていますが、その明確な要因は明らかとなっていません。
そこで新たな研究は、ゲノムワイド関連解析という方法を使って遺伝的な変化からその要因を探ろうと試みています。
ゲノムワイド関連解析とは、大量のゲノムを調査して、特定の形質に結びつく小さなDNAの変化を検出する統計的な手法です。
今回の研究では、複数の医療機関のメガデータベースから正確には176万6671人分のゲノムデータを作成して分析を行いました。
その結果、左利きに関連すると考えられる遺伝的変化が41発見されたのです。また7つの遺伝的変化が両利きに関連していることもわかりましたが、両者の間に相関は見つからなかったといいます。