生命誕生の経路をたどるソフトウェア「Allchemy」
少なくとも37億年前、地球には単純な分子だけしかありませんでした。
それが組み合わさっていくつか新しい分子が生まれ、そして、その組み合わせは雪だるま式に膨れ上がり、最終的に地球上すべての生命体を生み出すまで進化していったのです。
これはおそろく複雑で奇跡的な出来事に思えます。
しかし、逆に元をたどれば、宇宙のどこにでもありふれた基礎的な分子だけで現在の状況を作ることが可能だとも言えるのです。
そこでポーランド科学アカデミーや韓国基礎科学研究院などの研究者チームは、さまざまな化学反応の基本的なルールを学習させたソフトウェアを開発しました。
ソフトウェアは「Allchemy」と名付けられ、最終的に出来上がった化合物は、どういう過程を経てそれが生まれたかの化学反応の経路もたどることができるようになっています。
そして、研究チームはこのソフトウェアを使い、惑星の初期に存在した基礎的な分子6つ(水、窒素、シアン化物、アンモニア、メタン、硫黄)を出発点に化学反応を繰り返させるシミュレーションを行ったのです。