分子の振動からエネルギーを取り出すのは不可能とされていた
分子のブラウン運動からエネルギーを取り出すアイディアは古くから存在しました。
ブラウン運動とは熱を持った分子が振動する現象のことで、絶対零度以外の熱運動をする分子にみられる現象です。
もしこの分子のわずかな振動をエンジンのピストン動作に見立てて電力に変換することができれば、空気の温度そのものを電力源にすることが可能になり、既存の電池やバッテリーを置き換える全く新しい電力装置が誕生します。
しかし、これまで提案されたブラウン運動を用いたアイディアは、ファイマンをはじめとした過去の著名な科学者たちによって、熱力学の第2法則に反する永久機関であり、不可能だとされてきました。
しかしアーカンソー大学のティバド氏らは、今回あえて物理学の常識に挑戦し、見事に勝利。
グラフェンのブラウン運動から直流電流をうみだすことに成功します。ブラウン運動はどのように直流電流に変換したのでしょうか?