世界各地で行われている低コスト農法
では、大規模農家が科学技術に投資している間、世界各地の小規模農家はどんなことを行なうべきでしょうか?
現在既に行える「低コスト農法」は、未来の農場と同じ目標を達成できるため、彼らはまずこちらにアプローチすべきです。
そして、世界各地では既にこの低コスト農法が実践されています。いくつかの例を取り上げてみましょう。
コスタリカでは、農民が農地と熱帯生息地帯をうまく結びつけています。
これにより、野生生物への食物と生息地の提供、自然な受粉、害虫駆除を可能にしており、地球の環境を回復しながら食物を生産できています。
またバングラデッシュ、カンボジア、ネパールでは、米生産への新しいアプローチが取られています。
米の90%以上は大量の水を使用する水田で作られますが、これにより排出されるメタンは世界の年間メタン排出量の11%にもなります。
しかし現在、これに対処するために新種の稲が作られており、温室効果ガスの排出量を減らしつつも、収穫量を増やすことに成功しています。
さらにインドではインフラが不十分だったために、収穫後の食料の40%が失われてきました。
これに対処するため何千もの農家は、農作物の保存を可能にする「太陽光発電の冷蔵カプセル」を実装し始めました。
作物すべてを有効活用できるようになっているのです。
さて、人類が目指すべき2回目の農業革命は「大規模農家の科学技術への投資」と「小規模農家の低コスト農法」の先にあります。
このビジョンに従って食糧生産を最適化していくなら、環境を保護しつつ、増える人類を養うことができるでしょう。
ただし、そのためにはこれまでにないほどの世界的な協力が必要なのです。