マヤ文明は自然の中から浄水技術を発見した
今回の研究チームの1人、カリフォルニア大学の地理学者であるニコラス・ダニング氏は、グアテマラでのフィールドワークで地元の人が利用している天然の湧き水を発見しています。
それは石英粒とゼオライトの露出した火山凝灰岩で、そこから染み出す水はきれいで甘いと地元では有名でした。地元の労働者はここからボトルに水の補充を行っていました。
そのときダニング氏は、この岩石のサンプルを採取しておいたのですが、これが今回ティカルの遺跡で発見された貯水池の鉱物と密接に一致していたのです。
その後研究チームは、ティカルの北東約29キロメートルにあるバホ・デ・アズカルの切り立った山の尾根で見つかった、ゼオライトと石英の堆積物と遺跡の貯水槽で発見された堆積物が同一であることをX線回析から突き止めました。
「古代マヤ人は、この鉱物がきれいな水と関連していることに気づき、なんとか都市まで持ち帰ったのでしょう」とダニング氏はいいます。