奇形は海水の温暖化が原因?
このサメの赤ちゃんは、先天性の「単眼症」と遺伝子異常で起こる「アルビニズム」を併発していました。
単眼症は、脳の発生不全による重度の奇形であり、これまでの報告例はごくわずかで、誕生してもほとんどが死産に終わります。
ヒトの場合、単眼症を患う新生児は鼻も欠損しており、生後2〜3時間以上は生きられません。現時点では単眼症を予防する方法や治療法も存在しないとのことです。
一方のアルビニズムは、メラニンが欠乏する遺伝子疾患が原因で、皮膚や体毛、瞳の色素が欠如し、白色化します。
こちらは命に別状はないものの、野生生物では体色が目立ってしまうため、生存を不利にします。
専門家によると、単眼症のような奇形は海水温の上昇が一要因になっているようです。
地球の海は、大気中の熱を吸収する巨大なヒートシンクの働きをしており、その傾向は急速に進行しています。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は「今世紀末までに、海水温が1.4〜5.8°Cの間で上昇する可能性がある」と予測します。
今回のような奇形生物の発見は、これからさらに増加するかもしれません。