味蕾に接触しやすい新人工甘味料
さて、私たちが甘みを感じるには甘味物質が味蕾に触れなければいけません。
では、砂糖やそれを含む食品を食べる時に、どれほどの砂糖が味蕾に接触するのでしょうか?
実は全体量のうち、たったの20%だと言われています。つまり、私たちが口にいれた砂糖の80%は味蕾を刺激することなく、直接胃の中に入っているのです。
私たちは砂糖がもたらす20%分の甘みを得るために、余分の80%の糖質を身体に取り入れていたのです。
この分野に着目したのがDouxMatokです。彼らは「味蕾に効率的に接触する」構造を研究することにしました。
従来の人工甘味料のように、「新しい甘味物質をつくりだす」というものではありません。物質そのものは変えずに、砂糖の粒子形状を工夫して少量でも甘さを感じられることを目指したのです。
そして彼らは、この目的のために作られた無味のミネラルや繊維、タンパク質を糖分子でコーティングすることで、より多くの糖が味蕾に触れるようにしました。
実際、この技術で作られたサトウキビ糖の新人工甘味料は、サトウキビと同じ成分・甘味度ですが、糖度が30~50%も軽減されています。
さらに、この低糖砂糖を用いた食品は既に作られており、味も風味も変わらない低糖チョコレートクッキーなどが存在するのです。
多くの人々が人工甘味料からサトウキビなどの天然甘味料に切り替えている中、天然素材を使用して糖度だけを減らせるこの取り組みは、非常に魅力的なものとなるでしょう。
現在この技術は24の特許によって確立されています。今後、DouxMatokは製菓メーカーと協力して低糖砂糖食品を商品化していく予定です。