現在判明している アポフィス衝突の最終的なリスク
ヤルコフスキー効果を考慮に入れてアポフィスが2068年に地球へ衝突する確率を再計算した結果、研究はその真のリスクが53万分の1であると報告しています。
なんと、元の数値より確率は大幅に下がっていたのです。
というわけで、ほぼアポフィスが地球にぶつかる危険はないでしょう、というのが今回の報告です。
しかし、確率が0になったわけではありません。これは依然としてアポフィスには地球衝突のリスクがつきまとっていることを意味しています。
アポフィスは直径が約300m程度とさほど大きい小惑星ではなく、仮に地球に落下したとしても、大量絶滅を引き起こす危険はありません。
ですが、それは影響が小さいことを意味しているわけではありません。その落下衝撃はTNT1151メガトンに相当すると試算されています。
ちなみに、これまでで最大の核兵器の爆発は57メガトン、1883年のクラカタウ火山の噴火は200メガトンと記録されています。
アポフィスが落下した場合、小さな国なら吹き飛ぶほどの被害がおき、巨大津波や広範囲に渡る山火事を起こす可能性があり、人類にとっては最悪の日になるのは確実でしょう。
そうならないために、天文学者たちは日夜宇宙を監視し、危険な小惑星のリスクを計算し続けているのです。そして、もし本当にその危険が迫ったとき人類が取れる選択肢を広げる努力を進めています。
もしアポフィスが地球に衝突する危険が高まった場合は、かなり早い段階から警告を出すことができるでしょう。