2068年に小惑星アポフィスが地球に衝突する確率
気になるのは衝突の確率です。
アポフィスが2068年に地球へ衝突する確率は、なんと15万分の1。つまり、ほとんど当たらないということです。
なんだ安心、と思ってしまいますが、こうした小惑星にはヤルコフスキー効果と呼ばれる天体の移動を変化させる現象があり、この確率にはそれが考慮されていません。
小惑星は太陽光のエネルギーを吸収して加熱します。この熱は小惑星表面に不均一に分布するため、熱放射を行った際、特定の方向に小惑星を押し出すような効果が発生して、オブジェクトの軌道をずらしてしまいます。
これをヤルコフスキー効果と呼びます。
つまり、このヤルコフスキー効果を考慮して計算した場合、アポフィスが地球へ衝突する可能性は現在の試算と異なる結果になるのです。
今回報告された研究は、ハワイ島にあるすばる望遠鏡の観測データから、ヤルコフスキー効果でアポフィスの地球衝突の確率がどの程度変化するか突き止めたというものなのです。