大量絶滅を生き延びた混合栄養生物
葉緑体を持ち光合成によって太陽光と二酸化炭素、水から栄養を作れる他に、他生物を餌にして栄養を得ることができる生物を混合栄養生物と呼びます。
これは地上の植物では、ハエトリグサなどの食虫植物が該当します。
小惑星衝突後、暗闇に覆われた世界では単一のエネルギー源しか持たなかった生物は死ぬことになったでしょう。そして生き残ったのは、新しいエネルギー源を得た混合栄養生物だったのです。
これらの種は、日光が地球に戻ったあとも150万年から200万年ほどの間、優勢な種であったようです。
光が戻れば光合成を行う種が再進化を初め、海洋の首位を取り戻すと考えられましたが、混合栄養生物はその後も長く海洋で優勢を保ち続けていました。
これは研究チームにとって意外な結果でした。そこで、チームは日光が戻った後の状態をシミュレーションする単純なモデルを作って検証を行いました。
すると、混合栄養生物は1度確立されると長期に渡って広まったまま維持されることを発見したのです。
混合栄養生物に進化することは、大量絶滅を生き延びるための最初の手段だったと考えられ、その後の世界でも有利になる方法だったようです。
この調査結果は、海洋生物に影響を与えたのは、急激な温度変化や海洋酸性化ではなく、長期に渡る暗闇だった可能性を強調しています。
「これはハロウィンに相応しいお話かもしれない」とリッジウェル氏は冗談を言っています。「明かりが消えるとみんなお互いに食べあうんですよ」
なんとも恐ろしい話ですね。