ヒ素だけを除去する炊飯方法とは?
今回の研究では、お米の栄養素は残し、ヒ素だけを減らす炊飯方法をテスト。
その中で「パーボイリング吸収法(PBA、英: parboiling absorption)」が最も効果的であると判明しました。
方法も簡単で、特殊な器材はいっさい要りません。
具体的な手順はこちらです。
1.新鮮な水を鍋で沸騰させる(お米1カップにつき水4杯)
2.沸騰したお湯にお米を入れて5分間湯がく
3.お湯を捨て、米の水気を切る(このときにヒ素が除去される)
4.新鮮な水を通常の分量入れ直す
5.弱火〜中火で炊飯し、お米が新鮮な水を吸収するまで炊き上げる
お米に含まれるヒ素の多くは、胚乳を取り囲む外層に濃縮されており、この外層を精米してできるのが米ぬかです。
そのため、ヒ素の含有量は白米より玄米の方が多くなります。精米の過程で、ある程度のヒ素も取り除かれますが、同時に栄養素の75〜90%も落ちてしまいます。
研究チームの目的は、この栄養素の流出を防ぎ、ヒ素だけを減らす方法の特定でした。
結果、PBA法では、玄米から54%、白米から73%のヒ素の除去に成功しており、栄養源の損失はありませんでした。
研究主任のマノジ・メノン氏は「他にも、水分量を多くして炊くことでヒ素を減らすことが可能ですが、これは栄養素も一緒に落としてしまいます。しかし、PBA法なら、家庭で簡単に実用でき、安全で健康的にお米を食べられるでしょう」と話しました。
お米をたくさん食べる日本人にとっては朗報かもしれません。
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