犬とチョコレート
犬とチョコレート / Credit:Depositphotos
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“チョコレートが犬にとって猛毒”なのは、なぜ? 「チョコレート中毒」の原因物質とは

2020.11.07 Saturday

私たちにとっては馴染み深い食べ物でも、ペットに与えると有害なものは数多くあります。

玉ねぎはその代表ですが、チョコレートも犬のおやつとして与えるには不適切な食べ物です。

私たちにとって楽しみなおやつも、残念ながら動物にとっては毒になってしまうとのこと。

その理由とはいったい何なのでしょうか?

scienceabc https://www.scienceabc.com/nature/animals/is-chocolate-poisonous-to-dogs.html , 日本チョコレート・ココア協会 http://www.chocolate-cocoa.com/lecture/q12/index.html#:~:text=%E3%83%86%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%80%81%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AF%E3%81%8A%E8%8C%B6,%E6%84%8F%E5%91%B3%EF%BC%89%E3%81%AB%E7%94%B1%E6%9D%A5%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

なぜチョコレートが犬には毒になってしまうのか?

どこにも危険はなさそうなチョコレート。しかし……
どこにも危険はなさそうなチョコレート。しかし…… / Credit:pixabay

チョコレートは人類にとって、食べすぎても肥満と虫歯くらいしか心配する必要のないお菓子ですが、に与えた場合強い性を示します。

チョコレートを食べた犬は、腹痛のような症状を示し、嘔吐してしまいます。過剰摂取した場合には最悪死に至ることもあるのです。

実は人間でも、チョコレートを大量摂取した場合、発汗や頭痛など悪影響が出るのですが、それは非常識なくらい大量に食べた場合の話です。普通にしていたら、まずその症状を体験することはありません。

チョコレートの原料であるカカオには、その苦味の成分でもあるテオブロミンが含まれています。

テオブロミンは「メチルキサンチン類」に属するアルカロイド(有機化合物)で、カフェインなどの神経刺激物質の仲間です。

メチルキサンチン類(カフェインとテオブロミン)の構造。メチル基(CH3)の数が異なるだけでほとんど同じ。
メチルキサンチン類(カフェインとテオブロミン)の構造。メチル基(CH3)の数が異なるだけでほとんど同じ。 / Credit:Depositphotos

コーヒーやエナジードリンクによってカフェインを摂取すると、頭がすっきりして疲れが取れた気分になりますが、これはメチルキサンチン類が、体内の「アデノシン受容体」をブロックしているためです。

私たちが疲れると体内でアデノシンという物質が増加してきます。このアデノシンがアデノシン受容体と結びついて脳にシグナルを送ると、心拍数が下がり体がリラックスした状態になります。

疲れた状態というのは、このアデノシン受容体の作用で体の活動が低下している状態です。なので、これをブロックすると私たちは疲れを忘れて活動できるわけです。

しかし、カフェインを摂りすぎると、中枢神経系や消化器系にダメージを与えてしまい、めまいや心拍数の増加など身体に悪影響がでて最悪死んでしまいます。

そしてチョコレートに含まれるテオブロミンは、カフェインよりメチル基(-CH3)が1つ少ないだけなので、同じような覚醒作用を持っています。しかし、人間はテオブロミンの代謝能力が高いため、テオブロミンの摂取ではカフェインのように興奮することはありません。

逆に緩やかにリラックスさせる効果があるとも言われています。

しかし、犬などの動物の場合には状況が異なります。犬や猫などはテオブロミンの代謝速度が遅いためその害を受けやすくなります。

エナジードリンク(カフェイン)の過剰摂取も人間にとっては危険。
エナジードリンク(カフェイン)の過剰摂取も人間にとっては危険。 / Credit:Depositphotos

たまにエナジードリンクを飲みすぎて体調を悪化させてしまった人がニュースに登場しますが、人間のカフェイン大量摂取のようなことが、犬や猫では少量のチョコレートで起こってしまうのです。

次ページ具体的にどのくらい摂ると危ないのか?

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