生きている大豆は納豆菌が嫌い
納豆を作るには大豆を高温で蒸した後に、藁に包んで寝かせます。
一説では弥生時代までさかのぼると言われる、この納豆製造法の仕組みは、枯れた藁に棲む納豆菌の発見によって、発酵の一種であることが明らかになっています。
しかし「藁で包む」理由(納豆菌を大豆にくっつけるため)が解明された一方で「蒸す」理由については、あまり詳しくわかっていませんでした。
そこで研究者たちは納豆菌が大豆の生き死ににどのように反応するか確かめることにしました。
結果、上の図のように、生きている大豆は納豆菌の増殖を抑える機能があると明らかになりました。
生きている大豆は何らかの抗生物質を分泌することで、納豆菌を避けていたのです。
一方、死んだ大豆からは抗菌力が失われており、わずか48時間で大豆の表面がネバネバしはじめ、納豆に変化していました。
さらに今回の研究では、納豆製造の成否は大豆の抗菌力だけに依存しているのではないことも判明したのです。