フェルマーの生家にある像の前で記念撮影するアンドリュー・ワイルズ。
フェルマーの生家にある像の前で記念撮影するアンドリュー・ワイルズ。 / Credit:Wikimedia Commons
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「フェルマーの最終定理」解決の裏に潜む数学ドラマ【後編】 (5/5)

2020.12.05 19:00:56 Saturday

前ページ360年の難問が解けた!

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フェルマーは本当に証明を見つけていたのか?

フランス、ボーモン・ド・ロマーニュにあるフェルマーの記念碑。
フランス、ボーモン・ド・ロマーニュにあるフェルマーの記念碑。 / Credit:Wikimedia Commons

しかし、疑問が残ります。

フェルマーの最終定理の証明は、最近になって見つかった多くの数学の理論やテクニックが使われています。それらはフェルマーの生きた時代には存在していなかったものです。

フェルマーは確かに楕円曲線の研究を行っていましたが、モジュラー形式は20世紀になってから発見された数学の分野です。

だとしたらフェルマーは、はったりをかましただけで、実は証明などできていなかったのでしょうか?

しかし、フェルマーの最終定理は360年を経て正しかったことが証明されています。彼の主張は間違ってはいなかったのです。

もっとずっと簡単で単純な、17世紀の数学の知識とテクニックだけで解決できる証明が存在するのでしょうか?

もしかしたら、それこそがフェルマーのいう真に驚くべき証明かもしれません。ただ、彼は名誉よりも個人の楽しみを重要視していて、人を困らせることも大好きだったといいます。

数世紀にも渡って多くの数学者たちを悩ませたのなら、例え嘘つきと思われてもフェルマーは十分満足なのかもしれません。

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