犬は「違うことそのもの」を憎しみに変えない
今回の研究により、犬も人間のように違いを排除して本質を見抜く能力があることが示されました。
犬たちは外観の著しい違いを克服し、互いに「同種」であると認識して一緒に遊び、共に生活することもできます。
しかし人間ならば、これは不可能だったでしょう。
ネアンデルタール人やデニソワ人をはじめとして、かつて人類と共に存在し、人類とも生殖可能だった複数のヒト属が絶滅している現実からも、人類の強い排除意識がうかがい知れます。
さらに人類の「違い」を意識する性質は同種内に対しても向けられており、肌の色だけでなく僅かな文化的な差異や法的な定義にすぎない国籍の違いからも、自分と他人の違いを強く意識し、利権を巡って争い合います。
しかし犬は特定の犬種を迫害したりなどしません。
元気なチワワ(小人)とたわむれる優しいセントバーナード(巨人)の姿は、人類には眩しすぎるのかもしれません。