ホタルは共通の赤く光る虫を先祖にしている
ホタルは共通の赤く光る虫を先祖にしている / Credit:Science Advances
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ホタルの光はもともと「赤色」だった! 1億年以上前からの色の変遷を解明 (3/5)

2021.01.06 Wednesday

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あえて天敵に見やすい色に光る

天敵となる夜行性哺乳類にとって緑は見やすい色であり、それゆえ警告の意味を強められる
天敵となる夜行性哺乳類にとって緑は見やすい色であり、それゆえ警告の意味を強められる / Credit:中央大学

1億年前、最古のホタルが誕生した白亜紀の夜は、原始的な哺乳類の活動時間でした。

私たちの祖先は恐竜たちが徘徊する危険な昼をさけて、夜の暗闇のなかでエサとなる木の実や昆虫を食べていたからです。

同じく夜に活動するホタルたちにとって、夜行性の哺乳類は最も厄介な天敵になります。

そこでホタルたちはを赤から緑に変え、不味い味のする毒を体内に持つようになります。

夜行性の哺乳類にとって「緑色」は最も視認しやすい色でしたが、あえて捕食者に対して目立つことで

「不味いから食べるな!」

とアピールしていたのです。

この事実は、初期のホタルたちの発光は、捕食者に対する防御だったことを示します。

幸いこの戦略は成功し、ホタルたちは「成功した種」として、世界中に拡散していきました。

しかし、企業としての成功が必ずしも個人の利益につながらないように、種としての成功もホタルの個体としての成功にはつながりません。

ホタルのオスたちには別の血塗られた…いえ、この場合は光にまみれた種内競争が待っていたのです。

次ページ守りから攻めの光に転換 結局ホタルの敵はホタルだった

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