ホタルが照らすもの
計算科学を駆使して先祖の性質を明らかにする方法は様々な目的で使われていますが、肉眼で確認できる情報の再現に成功したのは、今回がはじめての例となります
ホタルは薄暗い赤色を放つ共通の祖先から、1つの科を形成するまで勢力を増し、激しい種内競争の結果、世界の夜を照らすようになりました。
現在、日本ではホタルの生息地を保護しようとする試みが各地で行われています。
種内競争で磨かれた派手な発光能力でしたが、人類に気に入られたお陰で生息地の保存をしてもらえるようになりました。
もしホタルが他の地味な水生昆虫のように光らなければ、積極的な保護はされなかったでしょう。
ホタルの存在は、環境保護といった一見して中立的な行いも、好みといった単純な嗜好からは逃れられないことを照らし出してくれたのかもしれません。