サバイバーとしての、ワニの驚くべき能力
ワニは「究極の生存者(サバイバー)」だと言われています。
彼らはほとんど形態を変化させることなく、恐竜時代の大量絶滅、その後2つの氷河期をも乗り越え、また人間を始めとしたあらゆる種からも絶滅の驚異にさらされることなく現在まで生き延びました。
ワニは酸素を保持する能力に優れており、最大1時間水中で息を止めていることができます。
普段は水中や水辺で生活していますが、必要とあらば驚くべき速度で陸上を動き回ることもでき、一般に地上を時速50km以上の速さで走ることができます。
体温を自ら調節することはできませんが、これは逆に言うと太陽からエネルギーを引き出すことができるので、鳥や哺乳類のような温血動物ほど多く食べる必要がないことを意味しています。
これが過酷な状況でも彼らが生き残るために有利に働いたと考えられ、この性質を変化させる必要はなかったのでしょう。
さらにワニは、完全な暗闇の中でも視界を保ち生活することができると知られています。
仲間との縄張り争いでは、非常に激しい戦いを繰り広げ、足を引き裂かれることもありますが、ワニは病原菌の多い環境で怪我をしても、感染症に罹ることはほとんどなく、ひどい怪我でも素早く治癒してしまいます。
ある意味、生物の完全体に到達しているのがワニと言えるのかもしれません。
研究者たちは今後、先史時代に絶滅してしまったワニと、生き残ったワニにどのような要因の違いがあったかを明らかにしていきたいと語っています。
たとえ100日後に小惑星が地球に落ちて世界が滅んだとしても、ワニは平然と生き延びるかもしれません。