プラセボ効果の脳神経反応を20の研究から分析する
プラセボ効果で症状が改善するのは事実ですが、その神経メカニズムを理解することは長年の課題でした。
もちろんそのための研究は以前からおこなわれてきましたが、どれも小規模な研究だったため、その結果が部分的なものなのか、大多数に対して定義づけられるものかはっきりしていなかったのです。
そこで研究チームは、20の神経画像研究(計603人が対象)からプラセボ効果に関するメタ分析(メタアナリシス)を行うことにしました。
メタ分析とは複数の研究結果を分析したものであり、医療において最も質の高い根拠とされます。
さて今回の研究の目的はプラセボ効果による鎮痛(プラセボ鎮痛)に関する脳の神経反応を明確にすることです。
研究チームはプラセボ鎮痛が、痛みを生じさせる「脳のプロセスを変えている」のか、または脳が痛みを作り出した後に、痛みに対する「捉え方を変えている」のか、そもそも人は「本当に痛みが軽減したと感じている」のか、調査したいと思ったのです。