デンキナマズの神経には未知の絶縁バリアが存在する
今回の研究により、デンキナマズが外部からの電流に対しても無敵であることが示されました。
現在各国の河川では外来種が上流に達するのを防ぐために水中に電気を流して撃退する方法がとられていますが、デンキナマズに対しては高確率で無意味となります。
電撃を利用した魚をシビレさせる漁法も、同じ理湯でデンキナマズには通じません。
ですが今回最も興味深いのは、電界の変化に敏感なデンキナマズが、外部からの攻撃的な電流に影響を受けない点にあります。
わずかな変化を感知するような仕組みは、普通は強い刺激に弱くなっています。
クジラが岸に打ち上げられてしまうのも、潜水艦などが発する強力な水中音波に、クジラたちの敏感な鼓膜が耐えられなかったからです(他にも原因は考えられる)。
しかしデンキナマズの場合、敏感な電界センサーは大電流にも耐えられました。
そのため研究者たちは、デンキナマズの神経系には未知の絶縁バリアが存在すると結論しています。
今後、デンキナマズを研究によって絶縁バリアの仕組みが明らかになり、電気回路にも応用できるようになれば、電子部品の世界に技術革命が起こるかもしれません。