動物の脳を破壊し奇行に走らせる原因不明の病気
最初に発見されて以来、VMは米国の湖全体で急速に広まっています。
少なくとも9つの州でVMが発見されましたが、その正確な範囲は把握できていません。
ちなみに2019年までにジョージア州のたった1つの湖だけでも合計105頭のワシの死骸が見つかっています。すべての死骸が回収されるわけではないため、実際の合計数はさらに高いと考えられます。
VMに感染すると、脳と脊髄の神経細胞に「液胞」と呼ばれる小さな塊がつくられます。ときに穴が開くことさえあると言われています。
これにより鳥たちはさまざまな奇行に走るようになります。
あるワシは自ら岩壁に衝突したり、泥酔しているかのように何もない場所で転倒したりします。
また水鳥であれば、その泳ぎ方がぎこちなくなり、空を飛ばなくなります。時には背泳ぎすることもあるのだとか。
頭の痙攣や音に対する無反応といった症状もあり、最終的に死んでしまうこともあります。
VMは当初、鳥類のみに感染すると考えられていましたが、次第に魚、カエル、カタツムリ、カメ、ヘビなどにも影響を与えていると分かってきました。