エッセンシャルオイルが原因で発作が起こる可能性がある
エッセンシャルオイルは植物の液体成分を濃縮したものです。
その用途は非常に多く、石鹼や化粧品など、身の回りの多くの日用品に含まれています。
しかし今回、インドのセントジョンズ医科大学病院の研究者たちが4年間にわたり350人の発作症例を分析したところ、全体の15.7%の患者の発作が「ユーカリ」もしくは「樟脳」のエッセンシャルオイルの吸引、摂取、および局所的な塗布と関連している可能性があると判明しました。
ユーカリは殺菌、消炎、鎮痛、鎮静の効果。樟脳には鎮痛、消炎、かゆみ止めなどの効果があるとして、エッセンシャルオイルに広く含まれています。
興味深いことに、エッセンシャルオイルと関連した発作があった患者のうち、40%はこれまで発作を経験したことがありませんでした。
しかしオイルと何らかの形でかかわった結果、気絶や痙攣など、まるで「てんかん」の発作のような症状を発症したというのです。
発作を起こした患者たちはその後、てんかんの治療薬を服用すると共に、研究者からエッセンシャルオイルを使わないように指示を受けました。
使用を停止すると、発作を再発させた人は最大3年にわたって1人も現れませんでした。
この結果は、ユーカリや樟脳を含むエッセンシャルオイルには、病歴のない健康な人に対して、てんかんのような発作を誘発する可能性が示唆されます。
一方、残りの60%の発症患者は、過去にてんかんの発作を経験しており、現在および過去に薬による治療を行っていました。
にもかかわらず、ユーカリや樟脳を含むエッセンシャルオイルを使った直後に、かれらは発作を起こしました。
研究者たちは彼らに対しても、今後はエッセンシャルオイルを使わないように進言。
やはり使用を停止した結果、94%の患者は最大で3年間、発作を起こすことはありませんでした。
この結果から、研究者たちは、ユーカリや樟脳を含むエッセンシャルオイルには、てんかん患者の症状を「再発」させる可能性があると指摘しています。