古代バビロニアの解法の解説

まるで、魔法のような古代バビロニアの解法。一体、何をしているのでしょうか?現代風に書き換えながら、調べてみましょう。
前提知識は、中学校で習う公式
$$x^2-2ax+a^2=(x-a)^2$$
です。これを公式(1)とおいてみます。
では、やってみましょう!
まず、
$$x^2-4x=780$$
のxの係数の4を
$$x^2-2 \times 2x=780$$
とします。ここが、古代バビロニアの解法の「①4を半分にして2」に対応します。
次に、両辺に「2×2」つまり「2の2乗」を加えます。ここが、古代バビロニアの解法の「②2×2=4」と「③780+4=784」に対応します。
$$x^2-2 \times 2x + 2^2=784$$
この式を(2)とおいてみます。
ここで、公式(1)を使ってみましょう。公式(1)に、「a=2」を代入すると
$$x^2-2 \times 2x+2^2=(x-2)^2$$
となりますね。この式を使うと、(2)の式は
$$(x-2)^2=784$$
と書くことができます。「(x-2)を2乗すると、784になる」という式が出てきました。
ここで、「2乗して784になる数」つまり「784の平方根」を求めると、「28と-28」となります。
つまり
$$x-2 = 28,-28$$
ということになります。ここが、古代バビロニアの解法の「④28×28=784より、784の(正の)平方根は28」に対応します。
最後に、両辺に2を加えると
$$x = 30,-26$$
となり、2次方程式の解が導き出せました。ここが、古代バビロニアの解法の「⑤28+2=30」に対応します(※今回、xは正方形の長さだったので、xは正でなければなりません。よって、「30」が答えとなります)。
この解き方、中学校や高校の教科書で見たことがありませんか?私たちが「平方完成」と呼んでいる方法です!
古代バビロニア人は見事に「平方完成」を使って、2次方程式を解いていたのでした。いにしえの数学、しっかり現代に繋がっているんですね。