古代バビロニアの2次方程式の解き方
次に、先ほどの2次方程式
$$x^2-4x=780$$
を、古代バビロニア人はどのように解いたのかを見ていきましょう。
“(前略)当時の解放に倣って解いてみる.「4を半分に君は分割する.2.2と2を君は互いに掛ける.4.4を780に加えて784.その平方根は28.君が互いに掛けた2を28に君は加えて30.30が1辺の長さである.」となる.”
(引用元:中村 滋,室井 和男「数学史 ―数学5000年の歩み―」p.78)
不思議な言い回しですが、どうやら答えは「30」のようです。
この古代バビロニア流の解き方を整理してみましょう。
①4を半分にして2
②2×2=4
③780+4=784
④28×28=784より、784の(正の)平方根は28
⑤28+2=30
という計算をして、「30」を導き出しているようです。
果たして、この方法で導き出した答えは合っているのでしょうか?確認してみましょう。
先ほどの2次方程式に「x=30」を代入して計算してみると……
$$30^2-4 \times 30=900-120=780$$
見事に「780」となりました!合っていますね!
ちなみに、「x=-26」も、この2次方程式の解となります。しかし、今回の問題では、xを正方形の一辺の長さとしていたので、負の解は適していません。