1日の時間が変化し続ける金星
この新しいレーダー測定の結果、金星の1日の正確な平均時間は、地球時間換算で243.0226日であることがわかりました。
地球の1年のおよそ3分の2が、金星にとっての1日なのです。
そして、今回初めて明らかになったのが、金星の自転速度が一定ではなく、常に変化しているということでした。
15年間の測定で、金星の自転速度は以前の値より大きくなったり小さくなったりしていたのです。
これは1日の長さが最大20分も異なるというものだったのです。
金星の1日を測定した見積もりには、これまで互いが一致しないという問題がありました。今回の結果はその理由を説明しています。
この安定しない自転速度は、金星が持つ重い大気が原因となっている可能性があります。
重い大気が惑星の周りを回るとき、固い地面との摩擦でその勢いを交換し、惑星の自転を加速したり減速させたりするのです。
これは地球でも、自転速度に1日1ミリ秒程度の変化を与えています。
金星は地球の93倍も分厚い大気を持つため、この影響ははるかに大きく劇的であると考えられるのです。
また、研究チームは、金星の軸の傾きが、正確には2.6392度傾いているという事実も報告しています。
地球の軸は約23.4度傾いているので、これは非常にわずかな傾きです。
この測定は、これまでの10倍も精度が向上しています。
また、この軸が約2万9千年周期でわずかにぐらついている(歳差運動している)ことも明らかになりました。
これは太陽の影響によるものだろうと考えられています。