眠気を吹き飛ばすカフェインの効果
睡眠不足は仕事の大敵です。
これまでの研究では、人間はたった1晩寝ないだけで不注意ミスが3倍に増えることが示されています。
また、複数の手順が必要な作業が強制中断された場合の、その後のエラー率(プレイス・キーピング・エラー)も2倍に増えてしまうとのこと。
一方で、古くからカフェインは睡眠不足に立ち向かう、心強い味方だと考えられてきました。
カフェインには脳内の眠気スイッチ(アデノシン受容体)を塞いで眠気を遮断するだけでなく、アドレナリンやドーパミンを増加させ、覚せい感や多幸感を引き起こす効果があるからです。
ですが、寝不足な脳に加えられたカフェインが、現実の仕事のパフォーマンスに与える影響は詳しく調べられていませんでした。
そこでミシガン州立大学の心理学准教授キンバリー・フェン(Kimberly Fenn)氏が率いる研究チームは、1晩徹夜してもらった被験者たちにカフェインを与えて、難易度の異なる2種類の作業テストを実施しました。
もしカフェインの覚せい効果が脳機能の全方位に働くなら、作業難易度にかかわらずカフェインの効果が現れるはずです。
しかし実際に実験を行ってみると、予想とは異なる結果が出ました。