カフェインは脳機能の一部だけを活性化する
答えを探るために研究者たちは1晩徹夜してもらった被験者たちを2つのグループに別けて、一方のグループのみにカフェインを与え、作業テストの成績を比較しました。
テストは「単純作業」と、複数の手順を要する「複雑な作業」の2種類に対して行われました。
なお、複雑な作業については、途中で作業を「強制中断」された後、再び戻って完遂できるかという持続能力(プレイス・キーピング能力)も測定されました。
結果、カフェインは単純な作業の効率を上げる一方で、持続力(プレイス・キーピング)が必要な複雑な作業の効率には効果がありませんでした。
この結果は、カフェインの脳に対する効果は全方位的なものではなく、単純作業などの分野に限られることを示します。
どうやらカフェインは覚せいさせてくれるだけで、脳の働きの「質」までは手が回らないようです。
研究者たちは、カフェインで回復した気になり、心臓の手術や飛行機の操縦など複雑な作業を行うことは避けるべきだと結論しています。